今日は天気が悪いのをものともせず、着物を着込んで歌舞伎座へレッツゴー。
新作歌舞伎の「マハーバーラタ戦記」を観てきました!

とにかく初日以来評判が物凄く良かったので早く見たくて堪らなかったのですが、如何せん3階席は売り切れ。

(´-`).。oO(頑張って並んで幕見席で観るしか無いか・・・)

と思っていたのですが、1階席の仮花道脇に1席だけ売れ残っている席を見つけてしまいまして(爆)←多分戻り席

ええいままよ!とばかりにぽちっとな。二人の諭吉君さようなら。
と言う訳で、新しい歌舞伎座では初めて1階席で観劇することになってしまいました。
結果的には奮発して大正解でした。仮花道の七三近くだったので、大詰の立ち回りもたっぷり楽しむことが出来たし、直ぐ脇にはアルジュラの馬車が走り抜けたりして、大迫力でしたよ。あああああ生きてて良かった!チケット代は後でどうにかする!←

以下感想。長いです←

***

基本的なストーリーは、先王の子である五王子と、先王の兄の子である百兄弟による王位争奪の争いがあり、それによって世界が滅ぶのを止めようと主人公・カルナが悩み葛藤し続けながらも奔走する、と言う感じです。
最終的には太陽神の子であるカルナと、帝釈天の子であるアルジュラとの宿命の対決がクライマックスの見所になっています。

序幕からいきなり登場するインドの神々、見事に歌舞伎の世界に置き換えた世界観、菊五郎劇団お得意の大迫力の立ち回りと見所は沢山あったのですが、
序盤は何と言っても七之助君演じるヅルヨウダ王女の悪女っぷりが圧巻でした。
(面倒臭いので漢字表記は省略)
とにかく策の限りを尽くして五王子を滅ぼそうとするヅルヨウダ王女は、恐ろしく冷酷で美しいのです。大詰の鎧姿も死にっぷりもとにかく美しくて凄まじい。凄いよ七之助君。彼の悪女は最高ですよ。
歌舞伎だと真女形が勤めるような悪女にヅルヨウダのようなタイプの女性はあまりいないので、非常に良い物を観させて頂きました。

個人的には何と言っても、神々や運命に翻弄されながらも愚直なまでに己の使命を果たそうとする為に、悩み、苦しみ、もがくカルナの生き様が見所でした。菊之助さん演じるカルナは、悲痛なまでに純粋で真っ直ぐで、観ていて胸が痛くなりました。

あれほど戦いを避けていたのに、己の使命に対して純粋すぎたカルナは、結局アルジュラを殺すことで戦いを終わらせ、世界が滅ぶことを止めようとします。
一方、ヅルヨウダ達を倒し力で世界を抑えることで世界が滅ぶことを止めようとしていたアルジュラは、決戦の直前に王族同士で争うことに疑問を持ちます。悩んでいるのはカルナだけではないのですね。松也君演じるアルジュラは、大詰めの決戦の場が最高に格好良かったです。良い役者になったなあ。

アルジュラとの激しい戦いを繰り広げたカルナは最後自ら死を選び、アルジュラに切られることで戦いを終わらせるのですが、
太陽神に己の行いが正しかったかどうか問いつつ死んでいくカルナの姿を見て、
「この人の人生に救いはあったのだろうか」とボロ泣きしてしまいました。
あれほど敵対していたアルジュラと最後に解り合えたことが救いだったのでしょうか。
刀を投げ捨てて事切れたカルナを抱き起こしたアルジュラが泣きながら「貴方こそ王者でした」と語りかけたのは、世界の終わりを止めたのは力で無く慈愛だった、と言うことを示していたのでしょうか。

この二人を最終的に導くのが、那羅延天の化身・クリシュナ(演:菊五郎さん)。
クリシュナがカルナとアルジュラに対して語ったことは、この物語の宗教観や世界観みたいな物が沢山沢山込められているものでした。改めてもう一度じっくり噛みしめて考えながらこのお芝居が観たいです。

他にも種之助君演じるサハデバが可愛いよ種ちゃん可愛いよとか、
児太郎君のドルハタビ姫が滅茶苦茶気が強くて非常にニンにあってるなあとか、
細かい感想も色々あるんだけど、私の中ではカルナの生き様とアルジュラとの邂逅が一番心に残ったのでした。

一大スペクタクル歌舞伎だったんだけど、物凄く考えさせられたりもし、本当に良いお芝居でした。
近いうちに是非再演して頂きたいです。切にお願い申し上げます。

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