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2005年01月17日

好きな歌舞伎役者:尾上松緑

折角日本文化に特化したブログを作ったので、歌舞伎の贔屓役者語りでもしてみようかと。

「役者さんは誰が贔屓なの?」
と聞かれたら、真っ先に出てくる名前が「尾上松緑」です。

但し、「二代目尾上松緑」ですが(笑)

残念ながら、私は紀尾井町(敢えてこの名前で呼ばせて頂きます)の、生の舞台に接することは出来ませんでした。
紀尾井町は、私が本格的に歌舞伎を見始める5年前に、あの世に旅立たれたのですから。
ですから、当然過去の舞台写真でしか紀尾井町の姿を見ることが出来ず、
「ふーん、この人が嵐君(=現尾上松緑)のお祖父さんかあ」
程度の認識しかありませんでした。
そりゃ、「隈取りが映える良い顔をしてるなあ」とは思いましたけど。

ところが、ある日テレビで初めて紀尾井町の舞台を見ることが出来たのです。
演目は「浮かれ坊主」。
下帯一つに薄物の羽織と言う寒々しい形の願人坊主が軽妙に踊る、洒脱な演目です。
最初の「ときたりやなきたりやなと」で、余りの声の良さにすっかり惚れ込んでしまい、
踊りの格好良さにまたしても惚れ込んでしまい、
それからは必死になって紀尾井町のビデオを集めまくったものです。

「熊谷陣屋」の胸をえぐられるような悲しみと無常観。
「勧進帳」の勇壮な弁慶。
「蘭平物狂」の大掛かりな立ち回り。

隈取りが良く映える顔、立派な声、素晴らしい押し出し、そして巧みな踊り。

あんな役者さん、もう二度と出てこないでしょう。
きっと時代がもう、大時代なおおらかさと江戸前の雰囲気を併せ持つ役者さんを出なくさせているような気がするのです。
(多分今の團十郎さんでおしまいだと思います・・・)

それだけに、どうしても紀尾井町の舞台に惹かれてしまうのかもしれません。
本当に格好良いです。
「連獅子」の押隈と「髪結新三」のブロマイドは、私の宝物です。

投稿者 umeko_uguisu : 2005年01月17日 22:31

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