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2005年02月16日

好きな演目:「勧進帳」

「一番好きな歌舞伎の演目は?」と訊かれたら、
「勧進帳」と即答します。
それ位大好きなお話です。

kioicho02.jpg
(2代目尾上松緑の富樫左衛門。のつもり)

「勧進帳」は、言わずと知れた、安宅の関における弁慶と富樫との攻防を描いた舞踊劇です。
能の「安宅」を題材としており、能の様式を巧みに取り入れています。
地に使われている長唄から振り付けに至るまで、名作中の名作と言っても過言ではないと思います。
あれだけ様式めいた芝居でありながら、登場人物全てに血が通っており、
忠義や意地や情がぶつかり合う様は本当に「圧巻」の一言に尽きます。

それだけに上演回数も多く、別名「マタカノセキ」とも言われてますが・・・。

数年前歌舞伎座において、團十郎の弁慶・富十郎の富樫・菊五郎の義経で上演された時がありまして、
その時は毎週歌舞伎座に通っておりました。
役者それぞれのニンがドンピシャに填っていて、正に現代の三幅対。
「こんなの次はいつやるか解らないよ!」と思って、必死に通ってました。
また、何回見ても毎回不思議な感動を覚えたのも事実でして。
当時大学生の友人(團十郎ファン)で、毎日歌舞伎座に通っていた人もいたなぁ。

西洋の騎士を思わせる幸四郎の弁慶。
「智将」の趣がある吉右衛門の弁慶。
勇壮に舞う富十郎の弁慶。

どの役者もそれぞれに素敵なのですが、
やはり私は、宗家・市川團十郎の弁慶が一番好きです。
熱くて一生懸命で、不器用なんだけど、
理屈抜きに「これぞ弁慶!」と思わせてしまう、圧倒的な存在感。
花道から出てくるだけでわくわくしてしまう、本当に素敵な弁慶なのです。

嗚呼、成田屋(=團十郎)の弁慶が猛烈に見たくなってきた・・・。
と言うか、「勧進帳語り」と言うより、「團十郎語り」になってしまいました(笑)

投稿者 umeko_uguisu : 2005年02月16日 12:46

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