先日、12代目市川團十郎さんがお亡くなりになりました。
大好きな役者さんの一人だったので、非常にショックです。

初めて成田屋(團十郎さんの屋号)の舞台を見た時は学生の頃だったので、かれこれ20年近く前の事になります。
正直言うと成田屋さんはセリフは一本調子だし、滑舌も悪いし、そんなにお芝居が上手でない、どちらかと言えば不器用な方だったと思います。
しかし、そんなビハインドを吹き飛ばしてあまりある、華と色気と愛嬌と存在感を持った役者さんでした。馬鹿馬鹿しくて大らかな「江戸歌舞伎」の雰囲気を現代に体現した、そんな役者さんでした。
しかも市川宗家の当主と言う重責を担いつつも、全く偉ぶった感じのしない、ファンサービスにも気楽に応じて下さる非常に紳士な方でした。
数々の追悼コメントで見受けられる「暖かい人」「控えめ」と言う人物像がぴったりな方でした。
もう成田屋の「暫」や「助六」を見られないなんてと思うと、何とも寂しい気持ちです。

成田屋の一番好きな舞台というと、「助六」も良いんだけど、何と言っても「勧進帳」の弁慶を推したいです!
「勧進帳」の弁慶は色んな役者さんが演じられてますが、誰が何と言おうと私は成田屋の弁慶が一番好きです。
何と言っても成田屋の弁慶は、義経に向ける眼差しが本当に優しくて暖かい。あんな弁慶は他にはいません。
以前、團十郎の弁慶・富十郎の富樫・菊五郎の義経と言う当代の三幅対で演じられた「勧進帳」が上演された時は、毎週歌舞伎座に観に行ったなあ・・・。

歌舞伎座のこけら落としの演目は、未だに成田屋の名前が残ったまま。どれもこれも成田屋で見たかった役ばかり。何だか心にぽっかりと穴が空いたようです。
今は只只、ご冥福をお祈りします。

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