仲良しの理学療法士さんのお誘いで、歌舞伎版鬼平犯科帳を見てきました。

「鬼平犯科帳」といえば、池波正太郎先生の代表作。
初代松本白鴎と2世中村吉右衛門の当り役でもあります(というか歌舞伎に造詣の深い池波先生が当て書き&名指しした配役でもありましたので)。
それを当代の松本幸四郎さんが、満を持して歌舞伎の舞台で演じるという訳ですよ。
中村吉右衛門さんは、そもそも時代劇スキーな私が歌舞伎に興味を持つきっかけを作って下さった役者さんなのです。
今回の演目は「血闘」。
密偵になりたてのおまさを平蔵が救いに行くという屈指の人気作なんです。
私の最愛の贔屓役者・中村又五郎さんが何と相模の彦十を演じられると聞き、頑張って見に行ったわけですよ。
・・・ええと。
「若き日の平蔵」の下り、あれマジで池波先生と吉右衛門さんがご覧になったら激怒されるんじゃないですかね?
ようまあ原作でエピソードが少ない若き日の平蔵パートをあそこまで膨らませたなあとは思ったけど、
少なくとも幾ら若くたって池波ワールドの住人が絶対喋らないような台詞のオンパレード。
池波先生の登場人物は、自身の感情をストレートに表現しないんですよ。ふわっと匂わせ程度に自身の信念を伝えるのみ。
それがまあ自分語りの多いこと多いこと。
更に言うと少女おまさの描写がマジで酷い。おまさちゃんあんなにツンツンしてる子でしたっけ?
完全にぼたんちゃんに対する当て書きだったし、それはぼたんちゃんのための当て書きであって、池波ワールドの再現じゃないですよね?
あれは本当に見てて違和感が物凄くて。何なの?家元に対する配慮なの?
染五郎君は悪くないんだ。
ただ、彼はアレを演じることに違和感は無かったんだろうか。
「鬼の平蔵だって、若い頃はこんな悩み方をしたはず!」
とか無邪気に思って演じてたんだろうか。
違うだろうよ違うだろうよ。
しかも脚本は戸部さん、演出は幸四郎さんご本人。
言っちゃ何ですけど正気か。池波ワールド解ってなさすぎじゃね?
戸部さん、他の新作歌舞伎は凄く良かっただけに、ちょっと池波ワールドに対する解像度が低すぎてなあ・・・。
私は吉右衛門さんのファンで有り、又五郎さんのファンで有り、池波先生のファンでもあります。
それ故、本当にあの歌舞伎版鬼平に対しては本当に残念というか・・・。
そりゃ同じ月に掛けられてた刀剣乱舞歌舞伎の方が話題になりますよ。解像度が違いすぎる。


再演とか新作とか出来た日には、もうちょっと頑張って欲しい。
あれでは泉下の吉右衛門さんも浮かばれないですよ。







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